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□大人扱いして
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「子供が無理すんな」

苦笑しながら吐かれた言葉は彼の優しさで。
でも私はそれに対して不服を持っていた。














「……」




むぅ、と口をとがらせて、私は不満を体現する。これが子供だと言われるゆえんだと思いもしたが。






今日こそは、と思って名無しさんは早業で彼のズボンのチャックを開けた。






「ぅわ!? 何してんだ、名無しさん?!」





慌てて止めようとする龍也さんを無視して彼の下肢へと指を伸ばす。






「馬鹿! いい加減にしないとおこ……っ」





ぴくりと龍也さんの体がはねて、言葉が途切れる。








手の中に包み込んだ、まだあまり育っていなくても立派なサイズの龍也さん。




それをゆるくこすって、先端に口づけた。






「……っ! て、めぇ……それ以上やったら、マジで怒るぞ……」







がしりと頭を掴んで苦々しい顔をした龍也さんがぐっと手に力を込めた。





痛い。



でも私は負けじとそれをぱくりとくわえこんだ。









「……ぁっ!」





子供だなんて言われたくない。



そう言われるたびにこの人との縮まらない距離を目の前に突き付けられた気分になる。



認められたい。


この人の隣に立ちたい。


相応しくなりたい。



それはこんな行動で示すものじゃないとは思うけど。



でも……。






「ん……っ、ちゅ…ぷちゅ……は、ぷちゅ、ぷちゅ……」





えと……口をすぼめたら気持ちいいって誰かに聞いた気が……ああ、レンに聞いたんだ。






そんなことを考えながら、龍也さんが気持ちいいように必死で舌と口を動かす。





時折漏れる龍也さんの艶めいた声に、ドキドキして、下腹が甘くしびれたようになる。







あ……まずい……私も感じてる、かも……。










「……いー度胸だ……っ、お前、覚悟は…出来てんだろうな……つーか、今更やめたっていわれても……っ、逃がさねぇけど、な……っ!」





「んん!?」





再びがしりと頭を掴まれて、龍也さんが私の喉の奥に向かって腰を振り始めた。





「く……っ、はぁ……っ」





「んぅ……っ、んぶ……っ!」




容赦のない打ちつけにえずきそうになりながらも歯を立てないようにして、微かに舌を動かして手でもこするように触ると頭を押さえている手がそっと髪を梳いてくれた。





「いい子だ……ほんと、可愛い奴……」




「……んっ!」




撫でてくれる手から、愛しいと言われているようで胸がときめく。





ああ……私、この人が好き。





「……っ、う、ぁ……っ!」





「ん!」



低く龍也さんがうめいて、のどの奥に熱くて青臭いものが吐き出された。




口の中でびくびくと震える龍也さんがいるせいで吐き出すことも出来ずにうっかり飲み込んだ。




「……っ!」





「うお!? わ、悪い……っ! 大丈夫か?」





自分がしでかしたことに焦ったように龍也さんが慌てて腰を引こうとするのを押しとどめて、私は少しだけ勢いを失くしたものを丁寧に舐めていった。





「ん……ふ……」





綺麗に残滓を舐め取って、ちらりと龍也さんを見上げて……私は後悔した。










獰猛な野獣のような目をして、龍也さんが口の端を釣り上げた。




こ、怖い……っ!






「…お前ってやつは……どれだけ俺を煽れば気が済むんだ?」





まるで蛇に睨まれた蛙のように動くことが出来ず、私はころりとベッドに押し倒されるまま龍也さんに馬乗りになられて、するするとスカートの中に手を差し入れられても抵抗することが出来なかった。





「…確かに子供じゃねぇよな。こんなに俺を気持ちよくしてくれんだから……もっと、気持ちよくしてくれるんだよな?」






凄むように尋ねられて私はこっくりと頷いてしまった。





すると龍也さんは非常に嬉しそうににっこりと微笑んだ。








「そーかそーか。じゃあ……遠慮なく」







遠慮なく、だけ再び凄んだ笑顔で言われて、初めて私はどうやら彼のプライドを刺激したらしいと気が付いた。



















(「ふぃぃん……私子供のままでいいです……」)








(「残念だな、子供から大人には成長できても、大人から子供に退化するってのはできねぇんだ。知ってたか?」)







(「……(私ベッドから起き上がれないのに一人すっきりした顔してタバコ吸ってるの……ずるい)」)




2011/12/31

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