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□愛くるしくて
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「ん、んぅ……っ」
原田さんの手がするりと腹部を撫でる。
息も満足にできないほどに唇を貪られて、飲みきれない唾液が口元から首筋まで伝っていく。
……いつの間に着物を脱がされてしまったんだろう。
「……名無しさん」
耳元で囁かれる自分の名前が媚薬にでもなったみたいに私に火をつけた。身体の奥の部分が熱をくすぶらせて疼きだす。とろりと股の間が濡れ出すのを感じてかっと頬が熱くなった。
「あ……はぁ……っ」
唇がじんじんする。
何度も何度も吸いつかれて舐められて……この人が接吻が美味いのか、それとも唇は敏感な性感帯だったのか……。
「……ここ、もうぐずぐずに溶けてるぞ」
「あっ」
前触れもなく股の間の湿った部分に触れられて、ぴくりと腰がはねた。くちゅりと音がして原田さんの指がその部分を押しつぶすように擦った。
「ふ、ふぅ……っ」
「声、おさえんな。聞きたい」
「んぁ……」
耳の後ろに口づけられて、耳たぶを甘噛みされて、じわじわと快感が這い上がってくる。
激しい快感が辛いのは想像がつくけど……でもゆったりとした快感がこんなに辛いとは思わなかった。
「じらさないで、くださ……っ」
「焦らしてるわけじゃねえよ。俺は、お前を気持ちよくしてやりたいだけだ」
それが焦らしているというんだけれど……ワザとなのだろうか。
「かわいい……俺の、俺だけの女だ」
熱に浮かされた顔をして私の体を夢中で貪っている原田さんの姿に胸がときめく。
微かによせられた眉間のしわが彼が余裕ぶっているだけだと教えてくれている気がして、なんとも言えないくらいに愛しさがわいた。
私の体の形を確かめるように原田さんのてのひらが肌の上を滑って、胸の頂をするりと撫でた。
「あっ」
「……なんでここ、こんなにとがってんだ?」
「んん!」
きゅ、と胸を持ち上げられてつんと立ち上がった乳首の先に原田さんの形のいい唇が吸い付いた。熱い舌で舐めるように転がされて、ちゅうっと吸い上げられる。……子供に乳をあげているような気分だ。
「ふ……っ、うぁ……っ!」
「ちゅ……気持ち、いいのか?」
ちゅうちゅうと吸い上げられて羞恥心と疼きとがないまぜになっておかしな気分になる。
恥ずかしい。
けどじれったい。
「は……ここ。とろっとろ、だぜ」
「ん――!」
突然圧迫感が襲ってきて息がつまった。
でもいろんなところがきもちよくて、中で暴れる指の感触も気持ちいい。
「三本、楽に飲み込んでるぞ。お前のここ」
「あっ! はら、ださぁ……っ!」
くすぐるように舌で陰核をなめあげられて指が、ずっ、引き抜かれた。
「き、もちい……っ! きもちい、よ、ぉ……っ!」
あまりの気持ちよさに背筋が反る。
原田さんが何かするたびに体がびくりびくりと震える。
「ほんと……病み付きになるよ、お前の体は」
くすりと笑って原田さんが態勢を変えた。
膣から指が一気に引き抜かれて、私の愛液に濡れた指が私の太ももをぐいっと押し上げた。
「!?」
「一気に、いくぞ?」
「あ!? あああああ……っ!」
前触れなく、ずん、と内臓まで押し上げるようにして原田さんが私の体に押し入った。
「ん、う……っ!」
ちゅくちゅくじゅくじゅくと結合部が音を立てる。
音と同時に原田さんの一物と内部が擦れて気持ちいい。
耳を塞ぎたくなるような羞恥心が湧き上がって私は原田さんから顔を逸らした。
でも勢いよく腰を振っていた原田さんはそれに気づいて腰を休め、私の顎をくっと掴んで目を合わせた。
「目、逸らすなよ。お前の顔が見たい」
「あ……は、ん……原田さぁ……っ」
必死で目を開けて原田さんを見上げると、汗を滴らせた原田さんはふっと微笑んだ。
「好きだ……お前が好きだ」
しなやかな筋肉のついた体がそっと私の上に重なって、彼の胸に自分の胸がこすれて刺激を作る。
でも重なった胸の鼓動が安心感を与えてくれた。
「俺の大きさに馴染んで吸い付いて……俺を欲しがってこんなに蜜垂らして……溶け切っちまうなんて、な。かわいすぎだろ、お前……」
「んぁ……っ! やぁ、も……っ」
耳元で直接耳に吹き込むように囁かれながらずんずんと奥まで叩き込まれる。
気持ちよくて気持ちよくて、もう……。
(溶けてしまいそう……)
2011/12/24