金色のコルダ夢

□意地っ張り二人
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「乗って」






「……私にも予定があるということをご存知ですか?」







いつもながら強制的な言葉に思わず反抗心が芽生える。




むっとして言い返した私に至極面倒くさそうな顔をして、柚木先輩は顎をしゃくった。



「いいから早くしろ。お前、だれの彼女だっけ?」



ええ、あなたですとも暴君柚木様!!















付き合い始めは彼からで。
でも理由は単純明快。



「女除け」



なんであの時私は頷いてしまったんだろう?
いや、頷いてはいなかったはず!


ただあれよあれよという間に恋人関係に落ち着いてしまっていただけで。



「今日はどちらに?」



「楽譜が欲しくてね。楽器屋だよ」



「……なおさら私には関係ないかと思いますが」



「だから何?」



「……」



簡潔すぎて反論する気にもなれない……ああ、人生間違ったかも。


うっかり黒い柚木様に遭遇してしまったのが運のつきというか…はあぁ。




「おい。俺の隣にいるのに考え事か? いい身分だな、名無しさん」



眉間にしわをよせた柚木先輩に私も不機嫌な顔で返す。



「考え事くらいさせてください」



「俺が隣にいるときは俺のことだけを考えるのが礼儀だろう?」




「えー…横暴」



「常識だ」



「…そんな常識初耳です」



「なら今一つ賢くなったな」



なんで私が常識知らずのおバカさんみたいになってるんですか!?







(不協和音)
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