遙か夢伍
□恋に落ちたのは
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へたれなんて大っ嫌いだ!
それは長年男勝りで通ってきた私の絶対的な好み!
優男も嫌い!
でも何より一番嫌いなのはへたれで弱くて男らしくない男の人!
「だから私は景時さんが好きじゃないです!」
きっぱりと胸をはって言い切った私の言葉に一瞬座が静まった。
「ヒノエくんも弁慶さんもいけ好かないけど、一番は景時さんです。体大きいんだし背も高いんだしそれならもっと堂々としてたらいいのに!」
そもそも男に生まれたかったと思っている私にすれば景時さんの存在は「ずるい」としか言いようがないんだからもう仕方がない。
「えーと…あはは〜、ごめんね。俺、気が弱いからさ」
「そう言うところが嫌いだって言ってるんです!」
「うーん…でも俺ははっきり話す君がそんなに嫌いじゃないんだけどね。だから残念だなぁ〜」
困ったように笑ってみせた景時さんに私は苛立ちしか覚えなかった。
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