三国恋戦記夢
□何かに似てる
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「なんていうんでしょうか……?」
「……何がです?」
不可解な顔で私を見た公瑾さんに私はことりと首を傾けた。
「公瑾さんの鎧がなにかの虫に見えるんです。……カブトムシ? うーん……」
「……虫、ですか」
何の虫だったろうかと考える私の目には、ひくりと頬を引きつらせた公瑾さんは映っていない。
「なんだと思います?」
尋ねた私の頬を公瑾さんがものすごくいい笑顔でぎゅうっとつねった。
「いいい!? いひゃいれすぅっ!」
「痛いようにしているんですよ。全くあなたは……」
呆れたようにつぶやくと、公瑾さんはぱっと私の頬から手をはなした。
「いたぁ〜……っ」
うぅう、ひどい……っ!
涙目で睨むも、公瑾さんは涼しい顔で「どうかしましたか」なんて聞いてくる。
「公瑾さんなんて、新種の「細目虫」です!」
「……」
「いいいいい!!」
悔し紛れに叫んだ私の頬を公瑾さんはぎりぎりととてつもなくいい笑顔で再びつねった。
(ひどい!)
(……ひどいのはどっちですか)
2011/9/20