乙女ゲーム夢4

□ループの末に
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ふと図書室をのぞくと奥の方の机で千鶴と斎藤くんが笑いながら勉強をしていて、それを見て胸が切なくなった。




「・・・・・・いい雰囲気」



二人の仲の良さが切ない。






千鶴、土方先生が好きだって言ったじゃん。




拗ねたような感情でそう思って、私は軽く頭を振るとその場を離れた。



千鶴が悪いわけでも斎藤くんが悪いわけでもない。


私が告白も出来ない臆病ものだから、ダメなんだ・・・・・・。











「あんた、あいつのこと気に入ってるんだろ?」



職員室をノックしようとした手を思わず止める。



原田先生?



聞こえてきた声に首を傾げて声を掛けない方がいいのかな、と思った私は続けて聞こえてきた声にさらに戸惑った。



「・・・・・・ばれてるか」



「まぁな。名無しのこと、これでもかってくらい自分のテリトリーに入れてるし」



「・・・・・・あからさますぎたか」



――――私?



さらに戸惑ったまま、立ち去るべきかと考える。

完全なる盗み聞きだし、なんだか違う気がする。聞いちゃダメな気がする。



そう思って踵を返そうとした私の耳に聞こえてきた、その内容に。



私は逃げ出した。














「いいんじゃないか? 生徒って言ったって女だし。うちの校長はそういうところうるさくないしな。好きなら好きでいいんじゃないか?」




「・・・・・・そう、だな。俺は、あいつが好きらしい。生徒じゃなく、女として・・・・・・名無しが愛しいよ」














土方先生が、私を好き?
















混乱が通り過ぎた私の胸に湧き上がった思いを口にするのは千鶴と斎藤くんへの裏切りだと思った。


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