乙女ゲーム夢4
□その理由
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あれから毎日のように純一さんは私に服を脱がさせるようになった。
最初のころに比べたら羞恥心もいくらかマシになって、手早く脱がせることが出来るようになった。
けれどまだズボンと下の下着を降ろすことは出来ていない。
いつかできるようになる日が来るんだろうか、と恥ずかしいようななんとも言えない気持ちで思っていたある日のこと。
「お見合い、ですか」
メイド長に手招きされて近寄っていくと、改まって告げられたのはお見合いをしてみないかということだった。
戸惑う私に彼女はいろんな要素を教えてくれた。
相手が将来有望な若者であること。
孤児院出身のものでも厭わず、私の写真を見て気に入ってくれていること。
持参金も何もいらないこと。
この先メイドとしてこの屋敷で暮らしていくのは純一さんとの距離が近すぎること。
他のメイドたちにもいい影響を与えないし、これから先迎え入れる奥方にとってもいい影響を与えないであろうこと。
旦那様のためにも自分のためにもこの屋敷を離れた方がいいだろうということ。
つまりは自分の存在が好ましくないのだということを話の端々から聞き取って、私は純一さんが許すのならば、と頷いた。
お見合いとは言いながら、結局はもう話が動き始めているのだろうと。
―――――白い手巾の少女をこの屋敷に迎え入れて幸せそうにしている純一さんを、見たくはないし。
見て平静でいられるとも思えない。
自分がこの屋敷から消え去るのが一番いいのだろうと合点して、きっと純一さんも惜しみながらも頷いてくれるだろうと思った。
けれど。
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