遙か夢参

□馬鹿な子ほど
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「美味しいですね。ここのレストラン」




思わずにっこりと笑うと瞬先生も笑みを浮かべた。優雅な仕種でワインに口をつける瞬先生に胸がどきりと高鳴る。



――――かっこいい。



胸のどきどきを抑えるために自分もワインに積極的に口をつけた。でもそのせいで余計にほろ酔いになってくらくらする。




ふと気づくと瞬先生の瞳が熱を秘めて私を見つめていた。



ドキドキする・・・。



瞬先生のこと、好きだなって…。











酔い覚ましに駅までの道を歩きながら、私はカバンの中からチョコを取り出した。



「あの、受け取ってもらえますか?」



「・・・ありがとう」




柔らかな表情でお礼を言われて、私ははにかんだ笑みを向けた。




「・・・・・・食べさせてもらえないか?」




「えっ?」




「・・・・・・駄目、か?」




う、わ…、


瞬先生が甘えてる・・・!



犬の耳が垂れたみたいにしゅんとした瞬先生に胸がきゅんとした。かっこいいことの多い瞬先生だけど、たまにこうやってすごくかわいくなるんだから・・・・・・ずるいと思う。





「・・・・・・か、貸してください」



「ああ」



だ、から・・・・・・なんでそんな嬉しそうな顔……っ!




瞬先生を取り巻く幸せオーラになんだかあてられてしまって。





私は指先にチョコをつまんで彼の唇に運んだ。



「ん・・・」



少し長めの髪を片手で押さえて私の指先を軽く唇で挟んでチョコを食べる瞬先生の可愛さに悶絶しそうになった。



(時折可愛くなる人)
2014/02/13
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