その他夢

□理不尽な独占欲
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姿勢よく伸びた背中が目を引く。

彼女が去って行くその後ろ姿を見ながら、私は自分の手を握った。



―――なぜ。


さっきなぜ彼女を引き留めようとしてしまったのかがわからない。

気づけば、あっさりと席を立った彼女の手を掴み引き留めていた。


「不可解だな」


今までこんなことはなかった。

自分の取る行動、言動、全てにおいて計算しつくしていたはずだ。

無意識に、なんて何年ぶりの行動だ?


たまたま柴崎さんと同じくらいの情報量を持つ彼女に気づき近づいて、彼女の聡明さとさばけた性格に好感を持って情報交換役として接点を持った。

彼女もまたそれに乗ってきてくれて。

月に何度か料亭かどこかで落ちあい、話をし、情報を交換しながら食事をする。
ここ一年そういった関係が続いていた。



しかし最近。




―――物足りない。




何が、というわけではないけれど。

何かが足りない。




「・・・・・・久し振りに、光に会いに行くか」





その言葉の裏にどんな想いがあるかなどその時は思いもつかず。
図書館に行けば光だけでなく彼女もいるのだということを無意識に考えているなど、自分でも気づいていなかった。
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