三国恋戦記夢

□いついつまでも貴方と共に
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そして自分が展開についていけていない間にとんとん拍子にいろんなことが決まってしまった。


とにかく玄徳さんのところに身を寄せることになったのはわかったんだけど……。




歩き出した玄徳さんたちの後ろをついて歩きながら、私はちらっと隣の女性を見上げて――ばっちり目が合った。




「!」



「あなたが山田花ちゃんね。私、ずっとあなたを待ってたの」



にこーと笑った顔はすごく人懐こくて、かわいい。




「え、私のこと知ってるんですか!?」



「んー、直接的には知らない。待ってたけど、どちらかといえばあなたを心待ちに待ってたのは私の……い……っ!」



「え、え!? 今どこかから木の実が……っ! だだ、大丈夫ですかっ?」



勢いよく大きめの木の実が名無しさんさんの頭にがつんとぶつかった。




驚くと同時に慌てふためいておろおろしていると、涙目の名無しさんさんがへにゃりと笑って・・・・・・か、かわいい……文句なしにかわいい……! 




こんな美人なのにかわいいとかどういうことなんだろう……!?




「だ、大丈夫……」



(こ、孔明〜……っ!!!)



「おい、どうかしたか?」



「あ、あの、いま」



「落ちてきた木の実が頭に直撃したんです……痛い」



「どれ、見せてみろ……あー、こぶになってるな」



「こぶ!? のぁー……道理で痛いと思った」


「血は出ていないな……」



「い……っ!」


「ああ、悪い。痛かったか?」


「だ、大丈夫です……」


「当分痛むかもしれないが、このくらいならすぐによくなる」




よしよしと玄徳さんは名無しさんさんの頭を撫でた。




・・・・・・お似合いだ。



美男美女のカップルってこういうことを言うんだろうなぁ、なんて思いながら、私は置いて行かれないようにと足を進めた。
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