その他夢

□小猿と鬼教官の恋物語3
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お酒が入って自然と堂上教官の機嫌が悪くなくなってきた。




口も滑らかになって、話が弾む。




あー楽しいな、気持ちいいな、と思っていたんだけど。

















「すー……」



「寝やがった…!」




ぐっと眉間にしわをよせた堂上に、小牧はくすくすと笑みを漏らした。



手塚はだいぶ前に退室している。





「手塚と同じ時間で返すべきだったかな?」




「……いや、あの時すでに微妙だったろう」




クッションを枕にして変な態勢ながらも気持ちよさげに眠る部下を見て、堂上はため息をついた。





「子供がいっぱいで大変だねぇ」





よいしょ、と立ち上がった小牧を堂上は怪訝な顔で見た。





「小牧?」




「ん?」





「……トイレか?」



堂上の問いかけに小牧はきょとんとした。





「え、部屋に帰るけど?」







「な……っ! この状況で俺とこいつを二人きりにするつもりか?!」






青ざめ叫ぶ堂上の口を小牧は慌てて塞いだ。






「う、ん……」






「夜中なんだからそんな大きな声出さないで。それに起きちゃうよ?」







「あ……」






身じろぎしたものの起きはしなかった部下にほっとしつつ、堂上はたまに読めない自分の友人を睨んだ。






「そもそもお前が連れてきたんだろう!?」





「そうだけど」





「なら…! くそ……っ! というか俺がお前の部屋に行く。泊めろ」






「あ、ダメ」






「小牧!」






何を考えているかわからない友人に苛立ちが頂点に達した堂上が鋭く叫ぶと、小牧はすっと目を細めた。






「彼女、夜うなされるんだって。誰か傍にいた方がいい」




「!?」








「お前は酔っぱらって眠っている「大事な」部下に手を出すようなやつじゃないだろ?」









にこ、と笑った小牧に堂上は苦々しく顔をしかめた。





「……ぬかせ!」






「ふふ……まあ冗談はそこまでにして。


夜中うなされる分、睡眠不足になることが多いみたいだね、彼女。自覚がないから余計に厄介らしい。

タスクフォースでいるからには、俺は彼女がそれを克服するべきだと考える。


それが彼女に「足りないもの」だ」


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