遙か夢弐

□かわいい子……
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白龍の神子と会ったとき、私は思わず縋り付いて頼んだ。






「白龍の神子、お願いです……どうか、どうか天海さまを救ってください!」




「お前……誰だ?」




「私は天海さまの……」



なんなんだろう? 





私と天海さまの関係を表す言葉を知らなくて、私は言いよどんだ。






「……知り合い、です」






この言葉が適切かどうかなんてわからない。
でも。それ以上の関係ではないから。






「天海は、どこにいるの? 何から救えばいいの?」




「……千年の呪いから」




「え……」




「あの人に安らぎを与えてあげてください……っ!」




もしかすると白龍の神子の存在自体あの人にとって安らぎなのかもしれないけれど。





お願いだから。


私では無理だから。


だから。


何度でも願う。あの人を助けてほしいのだと。





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