遙か夢弐

□互い、気づかず
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政子様から望美ちゃんにってキレイな着物が贈られた。




「何考えてるんだろうね、政子様」



「ご厚意だ。有難く受け取っておけ」



複雑そうな顔をしながら望美ちゃんは使者の人にお礼を言ってから着替えに行った。



「綺麗な着物でしたね」




「そうですね……政子様はお目が高い。きっと望美さんに似合いますよ、あの着物は」



「問題点はそこなんですね、弁慶さん……」




「もちろんですよ。綺麗な着物は綺麗な人が着てこそ価値がある」



「……そうですか」



いい笑顔で断言されて、私はそっと視線を外した。すると腕を組んで瞑目するリズ先生がふと目を開けてふと目元を和ませた。



「よく、似合っている」



「ほんとですか? ありがとうございます!」



着物を着た望美ちゃんがにっこりと笑った。




「…っ!」




私の時は華美だって言ったのに……やっぱり望美ちゃんには似合ってるって言うんだ……。




そりゃそうだよね、実際とっても似合ってるし……それにリズ先生は望美ちゃんが……好き、なんだから。



ずきりと胸が痛む。




重々承知していたはずだったのに、目の当たりにするとやっぱり胸が痛かった。





二人が上手くいったときに……ちゃんと祝福できるようにならなくちゃ。








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