乙女ゲーム夢2

□相反する心・分岐(藤堂夢)
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「忘れもの、ないか?」



「平助くんは?」











 私達は空気の綺麗な場所に行くことにした。
 新選組の進む道はどうなるか全く分からなくて……私は末路を知っているけれど、どこで何がどう転ぶかは分からなかった。






「ない。んじゃ、行くか」




 ……いつもいつも、明るい笑顔の彼に救われている。



 有難いと思うと同時にこんな風によりかかったままでいいのだろうかと不安にもなる。




「ん、どうした?」




「あ……」





「……もしかして、やっぱ新選組と一緒に行きたいとかか?」




「ううん。……違う。ただ、こんな風に平助くんによりかかったままでいいのかな、って思って……」












「……ばっかだなあ」




 私の言葉に平助くんは呆れた声と顔をして、私の手を取った。










「……俺の方が、よりかかってるんだぜ? 実は」







「そんなこと……!」








「そんなことあるんだよ。……俺は、お前がいないともう息が出来ない」









「平助くん……」






「だから……俺と一緒に生きてくれよ」




 繋いだ手を口元まで引き上げて、指先に唇がふれる。












 優しい優しいこの人が、できるだけ長く生きられればいいと思う。


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