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□嫉妬の深さ
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「ほんとにごめんね? 変なお願いして」
そろそろ惣一郎さんの誕生日だ。
何か贈ろうと思うんだけど何がいいのか全然分からなくて、急きょ大学の友達に相談したんだけど……そしたら彼氏を貸してあげるから一緒に探してこいということで。
「いーよ。いつもノート見せてもらってるし、彼女の友達だし?」
「ありがとー! 美央も来れたらよかったんだけど……」
「レポート提出してなかったんだって? あいつも早めに済ませとけばいいのにな」
「ほんとにね」
「彼氏いるって聞いてたけど、前は仲悪そうじゃなかったっけ?」
きょとん、と言われて苦笑する。
「いろいろあって。今は、その、仲いいと思う」
―――いろんな意味で。
「ふぅん? ……俺は美央に誕生日プレゼント何がいいか聞かれたら、やらしい下着って答えるけど……もう少しまともな方がいいよな?」
「っ! ま、まともなので……っ」
「りょーかい。んじゃ行こう」
――――あれは。
最近になって頻繁に会えるようになった許嫁の姿を見つけて、私は手を振ろうとした。
でもすぐにその手を下げて、彼女の様子を注視する。
「・・・・・・誰です、その男は・・・・・・?」
にこやかに、たびたび頬を赤らめながら会話をしている彼女の姿にイライラが募る。
まさか浮気か、と考えて彼女がそこまで器用な人間ではないと知っているためすぐさま却下した。
「しかし、楽しそうですね」
自分の顔から表情が抜け落ちたのを感じた。
「柊さん、買い物終了しましたよ。……どう、しました? 顔が怖いですが」
「なんでもありませんよ、流聖。店に戻りましょう」
――――お仕置きが、必要ですね。
どろどろと胸の中に渦巻く感情をそのままに、私は今夜の逢瀬を考えた。