□05 A -王達の暇潰しV-
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「オーナー、上がります!この服はクリーニングしてお返ししますね」
「はぁい!今日はありがとうね?嫌な客がいたでしょう?」
「いいえー危なくなったら助けて呉れるつもりだったんですよねオーナー」
「…」
「……え?え?!」
「………ごめんね、実は…」
「そんな!」
「……………………………………ぷッ」
「……ふ、ふふふ」
こんなギャグは結構毎回。
一連の流れを終えて、二人でクスクスと笑い合う。
「じゃあ今度こそ、お疲れさまです」
オーナーにそう挨拶すると、真っ直ぐに向かうのは雷の王のところ。
些か眠たそうなのは、やっぱり見た目通り子供だからなのかもしれない。邪魔することを少し悪く思いつつも、今度は神経衰弱に興じる幹部達のテーブルの中でも一際幼い彼の足元に膝をつく。
「失礼します、王」
「ん?」
「あ?」
そう呼ぶと、雷の王と逆方向、つまり私を挟んで右側の人が人相悪く返事を返してくれた。
その返事が雷の王と見事にハモり、少し笑って。
「すいません、雷の、」
「なんや、初めっからそう言いや」