□03 A -王達の暇潰しT-
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信号、渋滞、そんなの関係ないんだ。
コレは、そう空を飛ぶ。
ATカフェ -フェアレディア-
何でも、オーナー愛車がフェアレディだそうな。
よく知らないけれど、初めて見たとき良いなと思った。
きっと疾く綺麗に走ると思ったのを覚えてる。
学校を終えてやってきたのは、私が勤めるバイト先の一つ、フェアディア。ライダーの羽休めの場として経営されるそこは、地下に広がる。知る人ぞ知る地下の空、それがオーナーの口癖だ。
「小鳥ちゃんッ!聞いた?!」
そのオーナー、開口一番にいきなりぶつかって来た。
…ヤバい大きい胸が、顔面に直……。
悶々とした気分になりつつある私に、オーナーは興奮冷め遣らぬ様子で続ける。
「ここ、今日ジェネシスの会合に使われるらしいの!!」
ジェネシス――創造神とは正にAT界を創造するに相応しいネーミングだ。
多分、この世界に足を入れれば嫌でも知るだろうAT界最大にして最強。そんな暴風族。
「すごっ―!そんな、有名になったんですかここ?!」
「酷いわね?!割と有名なのよ!」