□02 A -白昼生活-
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でこちゅう…私は今日何回この単語を呟いただろう。恥ずかしいことに思い出せない位呟いたことしか覚えていない。


つい昨日、初対面の男性に、でこちゅうされました。


今まで一度も彼氏の居なかった私が、です。


「…初対面でバカじゃないの」
「は?」


一人言に笑い混じりの返事が返ってきた。
イスをこっちに向けてプリを切り切りしている友達の和子。
切ってくれてるプリは私が写ってる訳じゃないけど、一応貰っておく。そのお陰で私にも女子高生らしい厚いプリ帳なるものが日々進化中なのだ。
まあ、このプリ帳も和子からのプレゼントなんだけど。


「あーーとりこぉ、…また浮気された………」
「…愚痴聞いちゃるよ?」


和子はマスカラもりもりの大きな目を瞬かせて、ニヤリと笑う。和子は所謂ギャル。私のドコが気に入ったのか、高一からつるんでる。


「ううん、もう縁切ってやったもん」
「和子男前ーー」
「サンキュー!ねぇ今日はバイト?一駅向こうに新しいショップできたんだって」
「………ぁ、うーごめん…バイトだぁ」



 
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