□03 A -王達の暇潰しT-
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「オーナー、これ、誰」


鏡を見て私は言う。


黒髪は軽くウェーブ。
ワインレッドのキャミは手触りのいい、シルクかもしれない。
裾は重みをつけるためなのかふりふりなレースとキラキラのストーン。
胸で切り返しがあってその部分は、…シースルーの生地。下手したら下着が見えるよコレ。ちなみに今日のブラは黒…オーナーの――…。
下はこれまた下着並みの短さを誇る皮のショーパン。
素足のまま、黒のヒール。


そして。


「ケバいよ………」


初めてだよ私、化粧。


「そんなことないわ綺麗よ!もしかしたら………ねぇ?」
「?、なんですか?」
「うふふふ」


何故か意味深な微笑みを返したオーナーを追おうとした時、控え室まで微かに風が吹いた。




リィン、リィン




午後21時、フェアディア開店。
風が駆ければそれが合図。
ライダーの夜が来る。


「いらっしゃいませ」


気持ちイイ。
ライダーが風を運ぶ。
ドアを開けた瞬間、店内に少し風が通るようになっているらしく、運ぶ風が強いほどバトルレベルは高いらしい。



 
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