Novel FA
□am Sterben
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エドワードさんに出会って、たくさん接して。時間を共有して、やっと。
彼が何を望んでいるのか、何を見ているのか、何に絶望しているのか、を。
それを理解した時。
僕は血を吐いた。
ひたすら呆然として、吐いたものを見つめていた。
僕は死ぬのか。
死んでしまうのか。
この若さで。
「アルフォンス〜?」
遠くであの人の声がする。
あの人の弟とそっくりだという僕。
そうか。
あの人が弟に会えれば、僕はいらないんだ。
お役目終了。
人生だとか、運命だとか。全てを一気に悟りすぎて失笑する。
あの人がこちらに来て僕に会うのも必然、僕が研究しているのも必然。
“あなたは帰ることができます”
そうわかった時から、
僕はあなたに全てを捧げよう。
全てをかけて生命を全うしよう。
どうか未来に、あの人の笑顔を。
end