Novel DN

□蝋燭。
1ページ/1ページ



「ジェバンニ」

「はい。どうかしました?」

ジェバンニに紙を渡す。

「ここに書いてあるものを買ってきて欲しいのですが」

ジェバンニは紙を二三回見渡す。

「…………何するんですか?」

「いいから買ってきて下さい」

「…………はい」














「ニア、頼まれたものです」


ジェバンニから品を受け取り、早速床に広げる。

大きい箱はシンプルなホールケーキで、小さい箱は煙草だった。

真っ白なケーキに煙草を刺す。

「ニア……それはそうするものじゃないんじゃない?」

どうやら成り行きを見ていたらしいリドナーの声が背後から聞こえる。


「…………これでいいんです」


ライターで火をつけるとジェバンニがあぁっと声をあげた。


「せっかくのケーキが溶けちゃいますよ」




やはり声を出して言うのは私のポリシーに反するので心の中で祝うことにする。


HAPPY BIRTHDAY DEAR MATT.


全て終わりましたよ。

貴方達のおかげで私は勝ち、悪を倒すことができました。

死人に感謝するなんてアレですから誕生日を祝ってあげます。

おめでとうございます。

ワイミー時代、一番喋ったのはマットな気がします。
というより私の隣で貴方が勝手に喋ってただけですが。








板チョコを引き寄せ、パッケージをむしる。
彼みたいにパキッと口で叩き割る。

「甘ったるい」



彼にもよろしく言っといて下さい。
聞いてくれそうにもないですが。






「リドナー」

「はい」

「このケーキもういらないのであげます」

「…………煙草の灰まみれですが」

「あげます」

「…………はい」






2010.2.1.
HAPPY BIRTHDAY





END

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ