Novel DN
□待ち合わせ
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暗がりから金色の髪が覗いてほっとする。
ふかしていた煙草を消して歩み寄る。
音のない深夜の寒空、街灯が俺と車を照らし出していた。
「お疲れ」
俺が笑顔で告げると、メロはふっと表情を緩めて車に身体を預けた。
「やっと終わったね」
メロが何も言わないので俺は淡々と喋った。
「これでこれからもずっと一緒だ」
俺は偽ることなく純粋に嬉しかった。
メロの抱えていた物は終わったし、障害もない。また二人で安心して暮らせる。
そこでメロの大きいため息が聞こえてきた。
「俺はごめんだ、マット」
「えーまたそんないけずなこと言ってー!」
一段高い声で茶々を入れる。
「すまん、マット。無理すんな」
頭に重みを感じたと思ったら、メロの手が伸びてきていた。無理をしているのはメロの方だ。
俺は引き寄せられるようにメロに抱き着く。
「俺は本当に嬉しいんだよ……メロと一緒だもん」
メロはぽんぽんと頭を撫でてくれる。
「俺な……お前が死んだニュース聞いて……自分がDEATH NOTEで死んじまう時、不思議と悔しくなかった……でも……お前まで巻き込んでしまって……本当にすまない」
俺は精一杯頭を振る。
「俺此処でずっーとメロのこと待ち続けるのかと思ってた。一緒で、幸せだ」
最後らへんは言葉が詰まった。
銃弾に身体を撃ち抜かれて、意識が遠退いて、死ぬんだなーと思ったら此処に居た。
そこはメロと打ち合わせした待ち合わせ場所だった。
死後の世界であることは何となくわかったけど信じられなかった。
地獄か天国か。
メロが来て此処がその分岐点なのだろうかとぼんやり思った。
まぁどうでもいいや。メロと一緒だし。
「死んだ後も幸せとか不幸とかあるんだな。何もないかと思ってたぜ」
メロは若干馬鹿にしたような口調だ。
「……若くして死んじゃったから何かのご褒美とか?」
「どこまでお気楽思考なんだよ」
「あーでもよかった〜天国にいけたー!」
「……俺は地獄だ。何で死んでからもお前のお守りなんだよ」
「またそんな素直じゃないこと言ってー」
「うざっ……もう行く!」
「どこへ?」
「どこか!」
2010.1.26
Mello&Matt,Forever...
END