Novel DN

□待ち合わせ
1ページ/1ページ



暗がりから金色の髪が覗いてほっとする。

ふかしていた煙草を消して歩み寄る。
音のない深夜の寒空、街灯が俺と車を照らし出していた。

「お疲れ」

俺が笑顔で告げると、メロはふっと表情を緩めて車に身体を預けた。

「やっと終わったね」

メロが何も言わないので俺は淡々と喋った。

「これでこれからもずっと一緒だ」

俺は偽ることなく純粋に嬉しかった。
メロの抱えていた物は終わったし、障害もない。また二人で安心して暮らせる。


そこでメロの大きいため息が聞こえてきた。


「俺はごめんだ、マット」
「えーまたそんないけずなこと言ってー!」

一段高い声で茶々を入れる。

「すまん、マット。無理すんな」

頭に重みを感じたと思ったら、メロの手が伸びてきていた。無理をしているのはメロの方だ。

俺は引き寄せられるようにメロに抱き着く。

「俺は本当に嬉しいんだよ……メロと一緒だもん」

メロはぽんぽんと頭を撫でてくれる。

「俺な……お前が死んだニュース聞いて……自分がDEATH NOTEで死んじまう時、不思議と悔しくなかった……でも……お前まで巻き込んでしまって……本当にすまない」

俺は精一杯頭を振る。


「俺此処でずっーとメロのこと待ち続けるのかと思ってた。一緒で、幸せだ」

最後らへんは言葉が詰まった。

銃弾に身体を撃ち抜かれて、意識が遠退いて、死ぬんだなーと思ったら此処に居た。
そこはメロと打ち合わせした待ち合わせ場所だった。
死後の世界であることは何となくわかったけど信じられなかった。

地獄か天国か。

メロが来て此処がその分岐点なのだろうかとぼんやり思った。
まぁどうでもいいや。メロと一緒だし。


「死んだ後も幸せとか不幸とかあるんだな。何もないかと思ってたぜ」

メロは若干馬鹿にしたような口調だ。

「……若くして死んじゃったから何かのご褒美とか?」

「どこまでお気楽思考なんだよ」

「あーでもよかった〜天国にいけたー!」

「……俺は地獄だ。何で死んでからもお前のお守りなんだよ」

「またそんな素直じゃないこと言ってー」

「うざっ……もう行く!」
「どこへ?」
「どこか!」




2010.1.26
Mello&Matt,Forever...


END

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ