Novel DN
□last26days
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2009年末――
「間もなく今年も終わりだねー」
「だな」
メロは相変わらず作業しながら適当に相槌を打った。
「一年早い……ね」
「そりゃ……な。今年はかなり動いたし」
確かに、と俺が笑い声混じりに漏らすとメロも釣られて笑った。
その笑顔に幸せを噛み締めながら俺はソファに座るメロに身を寄せる。
あったかい。
「なんだよ?」
メロは不可解そうに眉をひそめた。
「いーや?」
なんでもない、という言葉を飲み込んで俺はぽつりと漏らす。
「今年は……今年はメロといっぱい過ごせたからよかった。本当に」
「……なんだそのくだらない振り返りは」
ふん、と鼻で馬鹿にするメロもどこか嬉しそうな気がするのは自惚れだろうか……
俺が物思いに耽っている様を見て、メロは尋ねてくる。
「来年は?」
「ん?……一秒でも長くメロと一緒に居られたらいいと思う」
「……聞くまでもない馬鹿らしい答えだな」
再びニヤリと笑ってメロは手元に視線を戻す。
あ、年があける。