Novel SH

□その手で紡がれたもの
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「あれっ?ミーシャまた髪伸びた?」

ミーシャは毛先を摘まみながら呟きます。

「ほんと?」



「うん伸びてる」


視線が合い、エレフがにこりと笑うとミーシャも微笑みました。




「ねっねっ三つ編みあんだげる」

エレフが弾んだ声で提案します。


「エレフが?」



いつも二人の三つ編みはお母さんがしてくれていました。
ミーシャはきょとんとしましたがすぐに笑顔で答えました。


「うんうん!じゃ次は私がエレフのを編むね!」

ミーシャが大人しく野原に座ると、エレフは膝をついた状態で毛束を手に取りました。
元々の三つ編みをほどくと綺麗にすき、たどたどしく編み始めます。


風は野原を走り二人の髪をも揺らしていきます。


ミーシャが少し心配になってきた頃、エレフの手が止まりました。

「エレフ?できた?」


ひょいとつまんで見ると、お世辞にも綺麗な三つ編みとはいえない状態でした。ちょこちょこ毛が飛び出し、若干不格好です。

「ごめん……ミーシャ……」

さっきまでの元気と威勢は何処にいったのか、エレフは今にも泣きだしそうです。

「だっ大丈夫!次は私ね!」

気を取り直して今度はミーシャがエレフの髪を結い始めました。
ミーシャはゆっくりと丁寧に紡いでいきます。しかし首を捻っては最初からやり直し。


「お母さんみたいにできない……」


ミーシャは納得がいかないようです。
エレフが哀しそうな顔を覗かせると、ミーシャは勢いよく立ち上がりました。


「よしお家へ帰ろう!」

「お家に……?」


「お母さんに教えてもらうっ!」


エレフの顔が途端に明るくなりました。
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