カカリコ村の仲間たち♪

□カカリコ村の仲間たち〜春〜
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第1話 
はじめまして、アンチョビ!


汽車から降りる。
駅員さんが人間ではなく動物のサルだったので変だなと思ったが
そんな疑問は村の景色を見た途端に消えてしまった。



私はマロン!!
今日から私はここの村の住人。
前に住んでた都会もいいけど
こういう田舎も結構いいかも♪



マロン「ん〜!!いい村じゃん♪」



そう口にすると同時に風が通り抜ける。


大きく深呼吸を一つすると今まで住んでいた都会では吸えない空気が吸えたような気がした。


深呼吸をして自分の家はどこかと辺りをキョロキョロと見回す。

するとマロンの背後で「あれ?」という声がした。
素早く反応し振り返るとマロンと同い年くらいの女の子が
微笑みながらマロンに向って歩いてきていた。 


小梅「見かけない顔ね?私は小梅。あなたは?」

マロン「今日この村に越してきたマロン。」

小梅「マロンちゃんか。よろしくね!」

マロン「こちらこそよろしく♪」


お互い微笑みどちらからとも無く片手が前に出て握手を交わす。



小梅「そういえば何丁目に住むの?」

マロン「確か…2丁目の3番地って言ってたかな?」

小梅「マジ!?私の家も2丁目の3番地なの!!」

マロン「本当!?また遊びに行くね♪」

小梅「うん!家に家具とかあるの?」

マロン「まだ無いの…。全部前住んでた街に置いて来ちゃった…。」

小梅「だったら『アロエ』いらない?」

マロン「ア…ロエ?もらってもいいの?」

小梅「うん!!前に買ったんだけど、いらなくなっちゃって。」

マロン「ありがとう!じゃあもらっちゃおうかな♪」

小梅「うん、今は持ってないから後で家寄ってって!」

マロン「わかった!…ねぇ?この村ってお店ある?」

小梅「え?あるよ〜!…と言ってもコンビニだけど行ってみる?」

マロン「うん!!」



★そして★



小梅「ここだよ!」

シュンと音を立てて自動扉が開いた。

マロン「動物だ♪」

コンビニから出てきたのは、なんと動物だった。


しかもそのどうぶつは小熊のようだが体の色は水色である。


小梅「あっ!グルミン!!」

グルミン「小梅ちゃん!」

マロン「…!?ど、動物が喋った〜!?」

小梅「あ、一番重要な事言うの忘れてた!!ここの村の動物たちは喋れるの!」

マロン「え…?」

小梅「私だって最初は戸惑ったわよ…。でももう慣れちゃった♪
   今は私の家でグルミンを飼うぐらいだからね♪」

マロン「わ、私も慣れるように頑張る!!」

小梅「大丈夫、皆いいコだからすぐに慣れるよ♪」

マロン「うん…。」

小梅「ねぇ?グルミン。隣のコ誰?」

グルミン「アンチョビくんキュン♪」


小梅にグルミンと呼ばれた青色の小熊が答える。


小梅「私は小梅!よろしくね、アンチョビ。」

アンチョビ「よろしくでシ!!」


アンチョビという動物はスズメのような色をしていて眉毛が太い。



グルミン「アンチョビくん今日この村に引越してきたらしいキュン。」

小梅「じゃあ自分の家は…?」

アンチョビ「無い…でシ。」

グルミン「だから今日は家に泊めてあげてほしいキュン!」

小梅「うん。動物が1匹増えるも2匹増えるもそう変わりは無いよ♪」

マロン「私がアンチョビを飼ってあげる…!」

小梅「え?いいの!?マロンちゃん。」


マロン「うん。どうかな?アンチョビ…。」

グルミン「どうするキュン?アンチョビくん。」

アンチョビ「…いいんでシか?ありがとうございますでシ!!」

マロン「どういたしまして!あたしはマロン!!よろしくね、アンチョビ。」

グルミン「良かったね♪アンチョビくん!」

アンチョビ「うん♪よろしくでシ!マロンちゃん♪」

グルミン「アタイ、グルミン!!よろしくキュン。マロンちゃん!」

マロン「こちらこそよろしくね♪」

グルミン「立ち話してるうちにもう日が暮れ始めたキュン。」

小梅「帰ろうか。また明日ここに来よう!」

マロン「うん。」


そう言って2丁目3番地へと向う。



★2丁目3番地★



マロン「私の家はあそこ!」


マロンの指で示す方へ目を向けると
オレンジ色の屋根の家があった。


小梅「えぇ!?私の家あそこ…。」

今度は小梅の指先を目で辿って行くと
ピンク色の屋根の家があった。


マロン「近いんだろうなとは思ってたけど真ん前だとまでは…。」

小梅「確かに真ん前の家は誰も住んでいなかったなとは思ってたけど…。」

グルミン「いつでも遊びに行けるキュンね!」

小梅「そうだね!あっ、ちょっと待ってて!今からアロエ持ってくるから!」

マロン「うん、ありがとう。」


そして数分後に家から小梅が一枚の葉っぱを持ってやってきた。
しかもその葉っぱは一箇所虫に喰われているようだった。


小梅「はい、これ!!」

マロン「え?これは?」

小梅「これがアロエだよ!この村では家具が葉っぱに変わることが出来るの。」

マロン「家具が葉っぱに?」

小梅「持ち運び便利でしょ?家の中で葉っぱを家具を置きたい場所に置くと
  元通りの家具になるの!!」

マロン「うわ〜ハイテク〜!!」

小梅「でしょ?それじゃあまた明日、マロンちゃんの家に迎えに行くね!!」

マロン「わかった。アロエありがとうね♪」

小梅「いいよ〜お礼なんて♪困ったときはお互い様♪じゃあね!」

マロン「うん、また明日!!」

グルミン「バイバイキュン!」

アンチョビ「今日はありがとうでシ!グルミン。また明日でシ〜!」


全員が手を振り、それぞれの家に帰っていった。



★マロン家★


アンチョビ「ここがマロンちゃんの家でシか…。」

マロン「何も無いでしょ?」

アンチョビ「でも今日からここがボクの家でシ♪」

マロン「うん…。たくさん友達が出来るといいね♪」

アンチョビ「出来るといいでシ!!」

マロン「これからよろしくね。アンチョビ!!」

アンチョビ「よろしくでシ!!」



今日から私はこの村の住人。
この村にどんな子がいるのか、どんな村なのかわからない。


だけど


仲良くやっていけるといいなぁ。




マロンはアンチョビを抱きながらそう強く思った。



END
 

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