**BLEACH小説**
□トランプ
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■トランプ■
「一護〜!!ちょっと休養取ってきー!」
「はぁっ!?何言ってるんだよ!!休養なんか取ってる暇は無ぇんだ!
こんな事してる間にも藍染は…!」
「アホ!!アンタの体はボロボロや!!悲鳴あげとるやんけ。」
一護は仮面の軍勢(バイザード)うちの一人の猿柿ひよ里と冬の藍染との決戦に向けて修行をしていた。
先程まで一護と一緒に修行していたひよ里は、突然一護に「休養しろ」と言い出した。
「休養も必要や。体がボロボロのままで修行しても、内なる虚に飲み込まれていくだけや。」
「…平子……。」
一護の背後から二人に歩み寄るのは仮面の軍勢の中でリーダー的存在の平子真子。
「チッ、しょうがねぇな。それじゃ二日間だけ休養もらうわ。」
「あぁ、そうせい。」
「平子の言う事は聞いて、何でウチの言う事は一発で聞かんのや!!!」
ギャーギャーと騒ぐ猿柿を背に修行場を出ていく一護。
すると、修行場入口に、よく見知った顔があった。
「い、井上!?」
「黒崎くん…!」
それは一護の同級生の井上織姫だった。
「こんなとこで何してるんだ?」
「う、ううん。あっ、ほら!あそこの猫を追いかけてたらここにたどり着いちゃったの。」
井上はそう言うと近くにいた夜一にも似た黒猫を指差した。
「そうか。」
黒崎くんは半信半疑という感じで返事をした。
それもそうだよね。
あたしは猫を追いかけてここまで来たんじゃない。
ただ、黒崎くんが―…。
黒崎くんの事が心配で、ここへ来ちゃっただけ。
あたしがこんなところに来てもどうする事も出来ないのに―…。
「うん。…黒崎くんは?修行中じゃなかったの?」
「あぁ、何かよくわかんねぇんだけど急に休養取れってうるさくてさ。」
「そうだったんだ。でも確かに休養は必要だよ!あ、そうだ!少しの間黒崎くんも尸魂界に一緒に行かない!?」
「尸魂界!?何でだよ!?第一そう簡単に人間がひょいひょいと尸魂界なんて行けるのか!?」
「…行けるよ!だって、もう死神とあたし達は仲間だもん!」
あたし…何か変な事言ったのかな。
死神と仲間になったなんてあたしからの一方通行でしかないかもしれないけれど…。
一瞬黒崎くんは驚いた顔になって。
そして…
「…そう…だな…。」
そう言って少し笑った。
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