**BLEACH小説**

□watermelon
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「お兄ちゃーん!!」


ドタドタと大きな足音を立てて階段を上り

バンッと勢いよく一護の部屋を開ける妹の遊子。


「うぉぅっ!?」

「…何してるの?お兄ちゃん…」


遊子が一護の部屋に入ると一護は押入れの前で
奇妙なポーズをとっていた。
それを見た遊子は哀れんだ視線で一護を見ていた。


「い、いや、何でもない…。」

そう言ったがどこからどう見ても動揺している。

「今、学校で流行りの『押入れ体操』をしてるところだ!」

「押入れ体操…?何だか楽しそう!またその体操教えて!!ジン太くんに教えるから!!」

「お、おう!また…今度な?」

「うん!絶対だよ?スイカ持ってきたんだ!ちょっと量多いけど全部食べてね!」

にぱっと笑う遊子。
それはジン太から見れば天使が微笑んだように見えるのだろう。

「サンキューな!」

冷汗を流しながら引きつった笑顔でお礼を言うと
行きと同じく足音を立てて一階へ降りていった。


「……はぁ〜…。もう出てきても大丈夫だぜ。」

押入れを開けると人が5人入っていた。


「危なかったなぁ〜。間一髪だったぜ」

最初に押入れから出てきたのは斑目一角。


「狭い押入れねぇ。胸がつぶれるかと思ったわよ〜」

次に松本乱菊。


「おっ!スイカじゃねぇか!へへっ!いただくぜ!」

押入れから出て遊子の持ってきたスイカに逸早く手を伸ばすのは阿散井恋次。


「そういえば阿散井くんは修行抜け出していいのかい?」

ナルシストの綾瀬川弓親が押入れから出る。


「浦原さんが休みも必要だって言ってくれたから今日は大丈夫っスよ!」

「冬獅郎ー!冬獅郎もスイカ食えよ!」

まだ押入れから出てない日番谷に声をかける一護。


「…あぁ。」

最後に押入れから出てきたのは十番隊隊長日番谷冬獅郎。



「…。」


「…?どうした?冬獅郎?」


日番谷以外の連中は皆スイカを囲って座っているというのに
日番谷は押入れの前でスイカを黙って見つめ立ち止まったままだった。




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