◇Novel〜2〜

□ヤブ医者様と患者さん
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「さーて、どうしたもんか」


荒い息と、時折控え目に咳をしながら大人しく布団にくるまる鴉の横に座り込み、オズは真剣に考えていた。


「風邪が早く良くなる方法……何だろ……オレの特製にして特大注射を挿し込む…とか…?」

「………だから、オズは何もしなくても……風邪なんて汗をいっぱいかけばそのうち良くなるから……」


熱い吐息を吐き、オズの方に赤い顔を向ける鴉。瞳がうっすら潤んでいるのは、オズの独り言に危機感を覚えたせいか、単なる熱のせいか。
鴉の言葉に反応したように、オズがはっとなった。


「…汗……そっか、汗をかけばいいんだ?」

「……?」


ぐったりと疑問符を浮かべる鴉にこれ以上ないくらいの極上の笑みを向けると、オズはその身体にまたがった。


「は………っ?!」

軽く鼻の頭にキスを落とすと、再び頬笑みを携えるオズ。
そんな主に、鴉は再び危機感を抱いた。


「…………風邪、治してあげるね? ギルバート…?」


僅かに温度が上昇した部屋に、オズの大人びた声が響いた。
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