◇Novel〜2〜

□最愛なる“私の物”へ
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 面白くない。

 大変面白くない。

 何が私の気に障るかと言うと、私の所有物が誰にも彼にも愛想が良いことだ。

 私の所有物、ことオズの態度をまとめてみると、

○悪趣味ピエロには←愛想笑い。

○お茶好きお嬢には←楽しそうに笑顔。

○ワカメ頭には←笑顔プライスレス。

…という結果になった。

 他の二人はさて置き、ワカメ頭へのオズの態度が許せない。

 以前友人だったとは言え、一度はお前を裏切った男だぞオズ!何故ギルバートにそんなにも無償の信頼を置くのだ。

 私が悶々とそんなことを考えながら部屋に帰ると、ソファーでうたた寝をしているオズが目に入った。


 「…人がお前の為に悩んでいると言うのに…!」

 苛立ちを押さえながらオズの側に近づく。まじまじとその寝顔を覗いた。


――…無防備な表情。幼い顔立ち。普段はへらへらと弛ませている頬も、今はただ穏やかな色を浮かべている。


 私の喉がゴクリと鳴った。

 (これが私の物だとはな…、堪らないぞ!)

 そこで、名案が私の脳に閃いた。
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