◇Novel〜2〜

□absolute obedience
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「……オズ」

「オズ、じゃなくて“ご主人様”だろ?」



一糸纏わず床に座り込んでいるギルバートを椅子に座って見下ろし、じゃらっと手元の鎖を口元に引き寄せて、オズは言った。
鎖を通し、ギルバートの首に嵌められた首輪が身体を前へと引っ張る。
腕を縛られ、ギルバートはそのまま前に倒れそうになりながら、なんとかバランスを保つと、うるんだ瞳をオズへと向けた。



「……っ、ご……主人、様」

「よし。よくできました。……さ、それじゃ服従心を身体で表してもらおうか?」



にっこりと微笑んだオズに対し、ギルバートの顔が羞恥の色に染まる。
が、抵抗することなく、仰向けに横たわると大きく足を開いた。
犬が心許した相手にするそれと同じように。



「………!」



次に腰を少しあげたギルバートの秘部に、なんの予告もなくオズの足の指が挿入される。
小さな悲鳴を上げてギルバートの顔が歪んだ。
それに構わず、オズは足指を抽挿させる。



「あ……! んん……っ」

「……ねぇ、ギル、俺さぁ、勃てていいなんて言ってないんだけど?」

「っ!」

「淫乱。こんなに垂らして」



指を抜いたオズが、ギルバートのそれに触れ、足の指の腹で先端部分をこする。
びくりとギルバートの腰が震え、先端からはさらに液体が溢れた。



「あーあ、汚れちゃった。どうするの?これ?」



ぐいっと鎖を引き、身体を強引に起こしたオズは、ギルバートの眼前に汚れた足指をさらした。
反射的にギルバートが目をさらし、それを許さないというように、オズがもう一度鎖を強く引く。



「口で綺麗にしろって言ってるの。 それとも、捨てられたい?」



オズの言葉にギルバートは目を見開き、首を激しく横に振るとそろそろと口を開き、綺麗に舐め取り始めた。
その様をオズは冷めた目で見下ろし、数秒たったところで口から足指を引き抜く。



「ほら、終わらせてやるって言ってるんだ。すぐに服従の姿勢とれよ」



言われて、ギルバートは先程の体勢に戻る。
直後、オズの足がギルバートの腹に下りた。



「どうも服従心が足りないみたいだね。……ほら、服従を誓いなよ」

「あ……、俺は、ご主人様の従者で……」

「へぇー、従者? それっておこがましくない?」



触れているだけの足が、ギルバートの腹に圧迫感を与え、ギルバートは小さく悲鳴を上げる。



「ほら、さっさと言えよ! お前は俺の奴隷だろ!?」

「……! 俺は、ご主人様の……奴隷、だ」

「その言い方はなんだ!」

「っ、俺は、ご主人様の奴隷、です……!」

「そうそう。さぁ、奴隷だって言うんなら、もっと誓うことがあるだろう!」

「ご主人様に奉仕します。なんでも命令してください……っ」

「……やれば出来るじゃん。よし、ご褒美だ」



言って、オズは再び足の指をギルバートの秘部に挿入させた。
容赦なく抽挿を繰り返す。



「あ……っ、ああ………!」



激しくも、オズ自身が与えてくれる快楽には満たない快楽にギルバートはもどかしさを感じながらも、オズの責めを一心に受け入れた。
否、ご主人様であるオズの責めに不満など漏らすのは間違いなのだから、それも当たり前なのだが。



「ん……っ!」



やがて、ギルバートはもどかしい感覚の中で絶頂を迎える。
激しい快楽を与えられるより、長いもどかしさに身体は疲れを感じていた。



「ギル、やっぱり淫乱だね。足の指でイくなんて」

「……!」

「ほら、休んでる暇なんかないよ。お前のせいで足が汚れたんだから、綺麗にしろよな」

「……はい」



羞恥で真っ赤に染まった顔でギルバートは頷き、身体を起こした。
足の指以外……膝付近もギルバートの放った欲望のせいで汚れている。
ギルバートは命令通り舐めとろうと顔を寄せたが、オズの無言の圧力にふと動きを止めた。
怒ったような視線にギルバートは思考をめぐらせ、やがて答えに行き着くと口を開く。



「ごめんなさい。ご主人様」



言って、ギルバートは正座に座りなおし、再び顔を寄せる。
オズは今度は圧力をかけることなく、ギルバートを受け入れたー…
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