◇Novel〜2〜
□クリスマスの夜に
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【クリスマスの夜に】
「ギル、見てみろよっ!」
窓から外を見ていたオズが楽しげにギルバートの方へ振り返った。
紅茶をカップに注ぐ手を止めて、ギルバートはオズと視線を合わせる。
「どうしたんですか?」
「いいから! こっちに来いって!!」
手招きされ、ギルバートは困ったようにティーセットを見つめ、小さく頭を振るとオズの方へと歩いていった。
ほら、と促されて外に視線を向けると同時に、小さな喚起の声が漏れる。
「綺麗……」
「だろ?」
ふわふわと空に舞う雪。
庭の木にそれが積もり、ぼんやりと輝く月の光を反射して輝いているように見えた。
「ギルの瞳みたいだね」
顔を覗きこんで笑うオズにしばらくポカンとしていたギルバートだったが、やっと言葉の意味を理解したのか、穏やかな笑みを浮かべてオズを見た。
「確かに金色ですけど、でも僕は……」
「違うよギル。色もそうだけどね、なんて言うのかなぁ、ああやって光って綺麗なところがそっくりだって言ってるの」
「え?」
「ギルは可愛い。それに綺麗だよ」
「そ、そんなこと……」