◇Novel
□壊したいほど愛しくて
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・・・どうして、こんな事になったんだろう。
―壊したいほど愛しくて―
僕は、ベッドに倒され、押し付けられているギルを見ながら思った。
潤んだ瞳を向けて、必死に何かを叫ぶギル。でも僕自身の興奮と愉悦間で、何を言ってるかはよく聞きとれない。
・・・大好きな兄さんを、独占しているんだ。
ギルのスカーフをシュルッと解き、嫌がる腕を無理矢理に柱へと結び付ける。必死に戒めを解こうとするギル。ぎち。と柱と布が擦れる音が聞こえた。
シャツのボタンを引き千切り、はだけたシャツから手を進入させる。そっと指先で触れるだけで、ビクビクと反応するギルを見て、喜んでる僕が居る事に、自嘲するようにクスリと笑んだ。
可愛い。兄さん。
「・・・っふ・・・」
突起を弄ると、堪らなくなったのか、甘い声を漏らすギル。段々頬が朱色に染まってきたギルの首筋に、僕は噛み付くようなキスを施す。
「・・・ッ!」
鋭い痛みに肩を動かすギル。更にずり落ちたシャツの下から覗くのは、僕が付けたものでは無い所有印。
・・・さっき完了してきた、仕事の痕だ。
兄さん可哀想。無理矢理犯されて。
いや、でも今僕がしてる事も、何の変わりも無いのかな。
ふとそんな事が頭の隅を過ぎり、自分で自分が可笑しくて、思わず笑ってしまう。そして、その痕に自分の唇を重ねる。強く吸った後、唇を離すと、更に赤みを増した所有印。
・・・これで、この痕は僕が付けたモノになった。
乱れた呼吸を繰り返すギルは、まるで僕を恐怖の対象かのように見る。それを見、嬉しく思う自分。
・・・もっと、兄さんの可愛いトコロ、見たい・・・。