◇Novel
□ココロの中で
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思えば、奴と体だけの関係になったのはいつだったか。
そんな事・・・とっくの昔に忘れてしまった。
―ココロの中で―
「あっ・・・ぅ・・・ッ!ん!・・・はっ・・・ぁ」
気を失いそうな快楽の波の中で、そんな考えがふと、鴉の脳裏に浮かんだが、段発的に与えられる強い快楽によって、それはすぐに流されていった。
波に溺れ、ひたすら声を上げ続ける鴉を見て、彼・・・ヴィンセントは冷たい笑みを浮かべる。
「今からそんなに乱れて・・・。僕はまだ、全然満足してないんだよ?」
最後まで持つのかな?と意地悪く微笑み、ヴィンセントは己のソレで、鴉のナカを激しく突く。
呻きと嬌声を混ぜた声が口から漏れ、鴉はその声を抑えようとしてベッドのシーツをきつく掴んだが、あまり効果は無く、たて続けに来る快楽になすすべも無く、ただ甘い声を上げ続けるだけだった。
「あっあ!・・・・ッや・・・ぅ・・・もっ・・・イッ・・・」
もう、イく。と涙を流しながら限界を訴えると、ヴィンセントはいっそう嬉々とした表情になり、鴉に口付けた。そして、反射的に奥に引っ込んだ舌を追い求めようとしたのか、更に深く貪る。
息苦しさで、彼の髪を引っ張って引き離そうとするが、ヴィンセントは全く動じない。それどころか、深いキスのせいでくぐもった声を出す鴉の反応を楽しみ、今だに繋がったままのソレをぐっと奥に押し込む。
鴉には、それが限界だった。
「――――ッふ、ぅ!」
キスのせいでまともな声が出せず、苦しそうに唸ると、ビクンと身体を反らして、鴉は果てた。
手の中に吐き出された白濁色のモノをヴィンセントは舐め取ると、鴉のナカから自分のモノを引き出す。グチュンという卑猥な音がし、自らが吐き出した白濁色の液が溢れて、鴉とベッドを汚した。
身体の中から異物感が無くなるのを感じ、鴉はゆっくりと意識を手放した。