和泉家の事情

□chance
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「遊園地の横にあるレストラン、行きたいって言ってたろ?」

確か1年位前そんな事を言っていた気がする。

「え!?覚えててくれたの?行きたい!」

ギュッと抱き付いて喜ぶ素直さに、ちょっとだけ罪悪感。


「よし!さっさと準備して出掛けるか」

「うん!」

満面の笑顔で着替え出す。
チラッと見ると、胸の下に赤紫のアザ。


ハァー。
遊園地にして良かった。
俺は秘かに胸を撫で下ろした。




「もぉ!爽兄ってば早く。
思い出し笑いする人ってエッチなんだよ!」

俺の手を掴みブンブン振り回す。
その手を引き寄せて耳元で囁く。
「そんな事は勇哉が一番よく知ってるだろ?」


勇哉は一瞬ポカンとした顔をしたが、次の瞬間には真っ赤になって俺の手を振りほどき
「レストランでフルコース頼んでやるからぁ!」
叫んで走り出した。


「はいはい」
勇哉を追い掛けて俺も走りだす。
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