和泉家の事情

□俺の気持ち
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いつからだろう‥。
9歳も年の離れた弟、勇哉の事が気になりだしたのは。

夏とはいえ薄着で無防備にベッドの上でくつろぐ姿を見ると下半身が疼いて仕方ない。


少年の幼さを残すスベスベの頬、ほどよく日焼けした肌、弾力のありそうな太股。
まだ誰にも触れさせた事がないであろう、短パンの中の‥。
ダメだと思うのに、知らず目が行ってしまう。

そんな俺の視線に気付いたのか
「なに?」
突然、顔を上げた勇哉は首をかしげながら俺を見た。

見てたのバレたか?
どう答えようか一瞬迷う。
俺が黙っているから怒っていると勘違いしたのだろう、勇哉は不安そうに瞳を揺らめかせながら再度尋ねてきた。
「僕に用事?」

そんな目で見られると理性捨てたくなるんだよなぁ。
勇哉は中学生になって少しだけ子供っぽさが抜けた代わりに、目が色っぽくなった。
‥と、俺は思っている。
父に言わせると‘女々しい’の一言だが。
「男は逞しく!」がモットーの父は何かと厳しく、大人しい勇哉はそんな父親を苦手にしているらしかった。
‘勇ましい男になれ’
と付けられた名前に完全に負けた性格だ。
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