和泉家の事情

□想い
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「やめっ‥」
止めようとする言葉は続かなかった。
敬汰の舌を深く受け入れさせられる。
敬汰はキスが上手い。
俺が女ならすぐに抱かれていただろう。
初めて敬汰とキスをしたのは半年前。
風邪をひいて寝込む俺に
「オレに移せば早く治る」
そう言って口付けて来た。
鼻が詰まって苦しかった俺は問答無用で殴ってやったが。
それ以来、勇哉のいない隙を狙ってはキスをしてくる敬汰。
キスは好きだ。濡れて柔らかな生き物が口内を這い回る感触が堪らない。
だから敬汰を強く拒めない。

だからといって性器を扱かれるのは別問題だ。

「やめろっ!敬汰!」
頭を振りなんとかキスから逃れながら睨み付ける。

敬汰は手を止めずに言う。
「こんな中途半端で?そんな顔してんの見て止められるはずないじゃん。」

どんな顔してるって言うんだ俺が。
クチュっ‥
その音に一瞬体が固まる。
「我慢汁、出てきた」
耳たぶを甘噛みしながら俺の羞恥心を煽るような事を言う。
「マジ‥で、やめろって」
俺は快感を逃がすように大きく息を吐いた。
「抜いてやるだけ。約束する。それ以上は絶対しないから」
敬汰は手の動きを速めた。
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