その瞳に映るモノ

□第一話
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―第一話―



トントントン…


朝のキッチンに朝食を作る音が響く。


トントントント…


と、不意にその音が止まった。



「はぁ…金にぃ。離して」


溜め息をつきながらも朝食作りを再会する青年…



名前は土方十四郎。



「やだぁ。」



そして、土方を後ろから抱き締めているのは、派手な金髪の男…



名前は坂田金時。



「朝御飯作れないだろ。」


不満そうな声でそう言う土方。



「んー?」



しかし金時は特に気にせず、土方の肩口に顔を埋める。
そして、その白い首筋にちゅっ、と吸い付いた。



「あっ…」



「いーよー?朝御飯にトシをいただくからぁ。」



「なっ…金にぃ…」



「ト…」



金時が土方にキスをしようとした瞬間…



「はい、そこまで!!」



金時と同じ声…

同じ顔…

唯一髪の色だけが違う男が、金時を土方から離す。



この男の名前は坂田銀八。


銀八はひょい、と金時を持ち上げて、土方とは反対方向へと放りなげた。



「何すんだ、銀八!」



「何するんだじゃないだろーが。お前こそ朝からトシに何してた?言ってみろ、コラ。」



「何ってナニ?」



「銀八さん、おはようございます。」



金時の言葉を綺麗に無視して土方は銀八に話しかける。



「おはよう、トシ。」



「俺銀時起こしてきますね。」



「銀時」とは銀八、金時の弟である坂田銀時のことだ。



「あぁ、お願い。」



「トシィ!!あんなヤツほっといて俺に朝御飯作ってー!!」



「もともとお前が邪魔したんだろーが!!!トシを困らせるな!!トシ、いいからいっといで。俺が続き作っとくから。」



「ありがとう、銀八さん」


ふわりと笑って土方は二階への階段を上っていった。


「銀八ー。その顔気持ち悪い。」



「あぁ、今日も可愛いなァ。トシは!!!」



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