頂き物

□有川さまより
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年一回
歌舞伎町では祭りが行われる



「あ…?」



俺は、人込みの中で見覚えのある白髪頭を見つけた



「…銀時じゃねェか」



俺はククッと喉を鳴らした


相変わらず、天パは治ってねェみてェだがなァ…

とすると、隣にいる美女は…



「土方、か…?」



銀時が土方以外の女と会うわけねェしな…
わざわざ祭りを演出するために、女装させたってことか



「え、土方…?」



…いや、違ェ
当の銀時は驚いてる


となると、大方いつも横にいる茶髪のガキにでもされたんだろ

名前は知らねェが、確か一番隊の隊長だった奴だ





なんて、二人を眺めながら推測を続けていると、急に銀時が土方を連れて走り出した

俺も、その後ろをつけていく


すると、二人は小せェ小屋のなかに入った



…オイオイ
まだ祭り回ってねェだろテメーら

まあ、銀時が我慢できなくなったんだろうけどなァ



一応聞き耳をたててみると、中からは喘ぎ声


とりあえず出店を2周してから戻ってくると、あの綺麗な浴衣がくしゃくしゃになった土方と銀時が出てきた



「ほォ…?」



俺はククッと笑った
今度はさっきよりも黒い笑いだった

俺ァ面白いモン見ちまったみてェだなァ…?














祭りの日から、数日後



「げ…」

「よぉ、銀時」



何でこいつがいるんだよ!


万事屋の階段を下りたすぐ下に、編み笠かぶった高杉がいた

幸い、神楽にも新八にも見られてない



「…で?何しにきたんだテメーは」

「敵意むき出しじゃねェか」

「テメーと関わるとロクなことねーんだよ」



しかも、このあと土方とデートだってんのに…



「なぁ、銀時」

「あぁ?」



俺は不機嫌丸出しだった



「土方、女モンの着物の気付け出来ねェの知ってたかァ?」

「は…?」



女モンの着物?

そりゃ普段着るわけでもねェし
できなくとも自然だろうよ


「おかげで、帰るとき民衆の的だったぜェ?ご丁寧に、キスマークまで付けて」

「何…っ!?」



何でコイツが知ってんだよ!


俺ははっと思い出した

コイツ、祭り好きだったんだ…


見られたのか、とここで思い至った



「で?何がしてーんだよ」

「さぁな。何をしてもらおうかなァ…?」



高杉は、ニヤリとこの上なく黒い笑いを放った



俺は改めて
コイツと沖田は敵に回しちゃいけないと思った







(そういや、この後デートだってな?)
(はっ!土方が危ないィィィ!?)




END
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