頂き物
□ある晴れた日のこと。
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「いーい天気だなぁ…」
「…………。」
ある晴れた日のこと。
今日は久しぶりの休みだ。
毎日働きっぱなしだった俺はどこかへ出掛けることもなく、のんびりと部屋で本を読みながら一日を過ごそうと思っていた……のに…
なんでコイツがここにいやがるんだ。
「土方君、いいお天気だねぇ。ちょっとどっか出掛けない?」
さっきからこの調子で俺の隣に寝転んで、なにやら喋っているそいつは、銀色の髪をふわふわとそよ風に漂わせている。
死んだような魚の目。
…本に全く集中できやしない。
限りなくうっとおしい…。
「銀さん土方君と遊園地行きたいなぁ…vVそんで観覧車なんかに乗って空の旅vVなーんてね」
お前なんかとあんな狭い密室空間に閉じ込められでもしたら、
ほとんど監禁に近い。
「聞いてる?」
「……………。」
「…聞いてる?」
「……………。」
「………………。」
「………ッう?!
突然目の前が反転して土方は銀時に組み敷かれた。
「……ンだよ」
またか、コイツは。
会うたび会うたび、盛んに押し倒しやがって…
「土方君に会えなくて寂しかったのは俺だけ?」
「………。」
まぁ、そうだな。俺は寂しくはなかった。多分。
「右手が恋人になってたのは俺だけ?」
「………。」
まぁ、そうだな。俺は右手が恋人になんか…ってオイ。
「銀さんマジ寂しかった!」
そう言って銀時の顔が近づいてきた。
しょうがねェな。
「土方さーん。あっそびっましょ―ィ」
襖が突然開かれた。
固まる土方。
もちろん襖の向こう側にいたのはSの国から来たサド王子こと沖田総悟。
カシャッ!
そしてフラッシュ音。
もちろん光ったのは沖田の手にあるインスタントカメラ。
「おやまぁ、おとりこみ中でしたかィ。これはこれはすいやせんでした」
ニヤニヤと襖を閉める沖田。
その手にカメラを携えて……
パタン…
「…ぉ…お…!!!////」
「さぁさっ続き続きvV」
「誰がするかァ――――!!!!!!!////」
‥…End…‥