短編
□変わらない祝福
3ページ/4ページ
「旦那ァ…」
けれど、あの人に真選組以外の大切なモノが出来たなんて、信じたくなかったから。
「あ?」
俺はずっと逃げていたんだ。
「アンタなんか大っ嫌いでさァ」
でもアンタは、真選組を大切にしているあの人を愛した。
「…はい?え、ここは俺の言葉に感動して、涙流しながら俺と土方の仲を認めるとこなんじゃねーの!?」
あの人のことを、ちゃんと理解した上で愛している。
でも。
「んなワケねーだろィ。アンタとあの人の仲なんざ一生認めてやりやせんぜ。」
俺はまだまだ餓鬼だから、あの人が笑ってくれてるならそれでいい、なんて考え方は出来ない。
笑うなら、俺たちの…、俺の隣で笑っていて欲しい。
「アンタなんか、大っ嫌いですぜ。」
そう、あの人の隣に居座るアンタなんて大嫌いだ。
けれど…。
「アンタで、良かった…」
.