短編
□願いは天へ、想いは君へ
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「銀ちゃーん、トシちゃん帰ってきたアル!」
神楽がそう言いながら走って行く方向を見ると、縁側に腰掛けている銀時がいた。
神楽に何かを伝え、此方を見た銀時は…。
「おけーり」
苦笑しながらそう言った。
「おけーり、じゃねーよ。何してんだテメー。」
「ん?いやぁ、話せば長いんだけどよォ…」
「手短に話せ。」
「神楽が七夕って何アル?って言うから、七夕っつーのは織姫と彦星が一年に一回天のが…」
「手短に、っつったの聞こえなかったのかコルァ。」
神楽のモノマネまでして説明を始めた銀時の首筋に、愛刀をあててそう言うと。
「神楽が七夕パーティーやりたいと言うので連れて来ましたァ!!」
銀時はビシッ、と敬礼までして30字以内で説明した。
「…じゃあアイツらは?」
先程から二人で何やらもめている高杉と桂の方を見て言う…。
「えー、本人達曰く…、」
「「俺たちも七夕パーティーに参加したい」」
「…だそうです。」
いつの間に此方に来たのか、高杉と桂が綺麗にハモって七夕パーティー参加理由を述べてくれた。
「いや、おかしいだろ。何でテロリストが真選組屯所で七夕パーティー?つーか、銀時。テメー何で万事屋でしねーんだコラ。」
「ひ、土方くーん…。瞳孔開いてますよー…」
だらだらと冷や汗を流しながらそう言う銀時に助け船を出したのは、以外にも総悟だった。
「俺が呼んだんでさァ。」
「…総悟。……テメーが自分から見廻りに行くなんておかしいと思ったら…こういうことか…」
恐らく一緒に見廻りをしていた隊士に口止めして、万事屋へ行ったのだろう。
だが、アイツらはー…
「アイツらに声掛けた覚えはありやせんぜ。どうせ万事屋の旦那から漏れたんでしょう。」
「…読心術?」
「土方さんが考えることなんざ幼稚園児でも分かりやす。」
しらっとそんなことを言う総悟。
いつもなら怒鳴り返すところだが、今日は疲れているので止めておく。
「ったく…あんまり騒ぐんじゃねーぞ。」
「努力しやーす」
総悟の全く信用出来ない返事を聞いてから、いつの間にか神楽と話している銀時の元へ向かった。
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