短編
□昼休みの内緒事
2ページ/6ページ
外に出て強い太陽の光にくらりとしながらも、俺は真っ直ぐアイツの元へ向かう。
アイツこと、坂田銀時は俺と同じ学年同じクラスで…俺の恋人、だったりする。
「オイ、起きろ。」
丁度日陰の部分に座りながら、居眠りをしている銀時の頭を叩きながら言う。
「んー…もう、昼…?」
「そうだ。っつーか、テメェまたサボりやがったな。あれだけ出ろっつったのに。」
俺がチラリと銀時の方を見てそう言うと、あー、だのうー、だの曖昧な返事をしている。
だが。
「ったく…明日は出ろよ。」
俺が煙草に火をつけながらそう言った瞬間、銀時はガバッと立ち上がって俺の弁当を奪った。
「土方、今日のおかず何?」
「テメー…」
一発くらい殴ってやろうかとも思ったが、いつもは『死んだ魚のような目』と言われる瞳を輝かせて問われると、ついつい…。
「ハンバーグ」
答えてしまうのだ。
「昨日作った余りだけどな。」
「うん、美味い。」
「ってもう喰ってんのかよ。」
俺が喋っている間にも、銀時はパクパクと弁当を平らげていき…。
「ごっそーさん。スゲー美味かった。」
10分もしない内に完食した。
毎日の事ながら、このスピードには驚かされる。
とりあえず煙草を吸い終わった俺も、自分用に持ってきたもう一つの弁当を食べ始めた。
.