短編
□★続・カカオ75%は恋の味
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「…で?何ですかコレ。」
放課後の準備室(という名の俺の私室)では、額に青筋を浮かべた土方が瞳孔全開の目で俺を睨みつけていた。
「何って…猫耳…?」
最後が疑問系なのは、目の前で猫耳を片手に俺を睨みつけている土方の目が怖いから。
いや、マジで怖いんだけど。
「ひ、土方…?」
無言で睨まれるのが逆に怖さを増幅させ、俺は恐る恐る土方の名前を呼ぶ。
「…」
「あの、ホントすんませんでしたァ!先生が悪かった!!ホワイトデーだし猫耳プレイとかヤりたいなぁ、とか思った先生が悪かったァァァ!!!だから別れるとかは止めてください、ホントにマジで。」
いつまでたっても何も喋らない土方にかなり不安になった俺はひたすら謝る。
がしかし。
「…ふっ…」
頭上から聞こえてきた声は、怒鳴り声でも冷たい声でも呆れたような声でもなく。
酷く楽しそうな声だった。
「ひ、土方?」
不思議に思い顔を上げると、そこには。
俺でも滅多に見れない柔らかい笑顔を浮かべている土方がいた。
「ホントに総悟の言った通りだった。」
「…沖田?」
「今日はホワイトデーだから、先生が絶対俺に変なモノ寄越す、変なことされたくなかったら準備室とかには行くなって。」
どうやらサド少年には俺の思考が読めていたようで、土方にいろいろと忠告していたようだ。
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