短編
□MISTAKE!!
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チャイムが鳴ってから5分程がたち、(一応)3Zの担任である銀八が来た。
「ギャーギャーやかましいんだよ。」
いつも通りのセリフを言って、銀八は教卓に立つが、その姿を見て土方は違和感を感じた。
銀八が出席をとってる間もずっとその違和感の正体を考えていた土方は、HRが終わる直前それに気が付いた。
慌てて銀八にそれを伝えようとしたが、後ろから背中をちょんちょんとつつかれて振り返る。
そこには、ドS丸出しの顔でニヤリと笑う沖田がいた。
どうやら沖田も銀八の違和感の正体に気が付いてしまったようだ。
土方はこの瞬間確信した。
終わった…
このドS王子にバレてしまっては、クラス全員にバレてしまったようなモノだ。
「せんせーい。」
沖田の声は物凄く楽しそうだ。
「何ですかぁ、沖田君。」
一方銀八の声はいつも通りやる気のないモノ。
「今日先生がしているメガネは土方君のメガネですよねー?」
沖田がそう言った瞬間、銀八は手に持っていたジャンプをばさり、と床に落とし、3Zの生徒は全員銀八に注目する。
そう、銀八が今日しているのは、いつも彼がしているメガネではなく。
最近視力が落ちたから、と土方がし始めたメガネだった。
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