短編
□★TPOを大切に
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「…」
何も答えないが、あきらかに怒りのオーラを発している土方は片付けを終えたのか、俺とは反対方向へ歩き出した。
「ひじかー…」
どうして怒っているのか。
何を怒っているのか。
そればっかり気になって、行かせないとばかり土方の腕を掴んだが…
「っ、触んな…!!」
いつも冷静沈着な土方にしては珍しく、声を荒げて俺の手を振り払う。
「土、方…?」
こんなことは初めてだ。
いつも俺が抱きついたりしても、かなり鬱陶しそうにはするものの振り払われたりはしなかった。
やはり今日の土方はおかしい。
そんなことを考えて土方の顔を見た俺は固まってしまった。
「ひじか、た…?何で…」
泣いてるの…?
最後の言葉は声に出して言うことが出来なかった。
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