短編

□★TPOを大切に
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「ひっじかたくーん!」


やっと最後の客が帰り、仕事が終わった俺はいつも通り片付けをしている愛しの土方の元へと直行した。


しかし…


「寄るな変態。」


土方の態度や言葉はかなり冷たい。



「うん、金さん変態じゃないから。一応NO.1だから。」


もはや日課となってしまったこの会話が嬉しくもあり、悲しくもある。


いや、悲しいっつーより虚しいっていうのかな、コレ。


「へー。そーなんですか。会って1分であんなことする人は変態じゃないんですか。」


土方は片付けを続けたまま冷えた声で言う。


土方がどうして俺にこんな冷たいのか。


それは数週間前、俺が初めて土方に会った時…いきなりキスしたからだ。


新八に新しいバイトだっつって土方を紹介された瞬間、俺は人生で初めての一目惚れをした。


少々瞳孔の開いた…けれど、真っ直ぐな瞳がスゲェ綺麗で…


思わず店の中で、新八が横にいるにも関わらずキスしてしまったのだ。


土方は一瞬固まっていたが、すぐに我に返ったのか、思いっきり殴られた。

だが、5、6発殴られたくらいで諦める俺ではない。


それからというもの毎日毎日愛の告白をしている。

…例え毎回冷たくあしらわれようとも、金さんは諦めません。



でも…



今日何か、機嫌悪い…?


いつも俺に対しては冷たい態度をとる土方だが、今日は何故か少し違う。


何が違うのかと聞かれると答えられないが、何かが違う。


「土方?何か…怒ってる?」


どうしても気になって土方に尋ねてみるが、土方は一瞬ピクリと反応しただけだった。



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