短編
□似たもの同士の恋
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今日は久しぶりに金が入ったから、行き付けの居酒屋へ来た。
店に入ろうと扉の前に立つと…
「「あ。」」
そこには真選組の副長さん、土方十四郎が立っていた。
「…オメー、何してんの?」
「テメェこそ何してんだ……」
「俺は酒飲みに来たんだよ。」
先に俺が聞いてたんだけど…そう思ったが、一応答えてみた。そしたら…
「…チッ…」
舌打ちしやがった。
「多串君、舌打ちは酷くね?」
「誰が多串君だコラァ!!!!!」
「まぁ、いーじゃねーか。たまには一緒に飲もうぜ。」
いつもの土方なら…
冗談じゃねー。
とか言うのに、今日は…
「…しょーがねーな。」
なんて言っている。
「…何だよ?」
不思議そうに見てしまっていたのか、土方が怪訝な顔をする。
「いや、珍しいなって…」
「何が…」
「オメー、俺と飲むのなんて嫌だ、って言うかと思ってたからよ…」
「嫌に決まってんだろーが。」
「…じゃあ何でだよ…」
「ここにはマヨがあるからな。ほら、入んぞ。」
そう言って土方は店に入って行った。
マヨがあるってどういう意味だ?
俺はそんな疑問を抱きながら、土方の後に続いて店に入る。
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