その瞳に映るモノ
□第四話
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「トシちゃん…?」
「そんな薄いカッコしてたら風邪ひくぞ。」
言ってから思ったが、これではまるで母親だ。
そんな自分に苦笑していると、神楽が俯いてしまっていることに気が付いた。
「どうかしたか?」
「な、何でもないヨ。」
いつもなら、「トシちゃんマミーみたいアル。」とか言われるのに、今日はどうしたのか。
不思議に思いながら尋ねると、神楽は慌てて顔を上げた。
「そうか…?」
「そうヨ!!」
「じゃあ買い物行くか。」
「ウン!って、トシちゃん!!?トシちゃんのが寒そうアルヨ!?」
先程神楽にコートをかした為、今度は土方がかなり寒そうな格好になってしまったのだ。
「俺は大丈夫だ。」
「でもー…」
「まぁたトシはそんな寒そうなカッコして。」
神楽が反論しようとしたが、その言葉を遮って別の者の声が聞こえた。
そしてそれは土方も神楽もよく知る者の声だった。
「銀ちゃん!!」
「銀時…」
「また風邪引いて、銀八に怒られても知らねーぞ。」
銀時は何故か自分の着ているコートを土方に着せ、持っていた方のコートを自分が着た。
?マークを浮かべながらその様子を見ている土方の耳元で、銀時は「これ金時のコートだから、トシは俺の着といてね。」と低い声で囁いた。
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