その瞳に映るモノ

□第三話
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「アイツら最初パーしか出さねーんだよ。」



「…は?」



「金時と銀時はいっつも最初パーしか出さないんだよ。」



「…」


土方は唖然とした様子で銀八を見る。



一方銀八は…



「いや〜、我が弟ながらどこまでもアホだと思うよ。」



なんて言いながら呑気に笑っている。



「はぁ…」



土方が呆れたように溜め息をつき、横になろうとした瞬間…



「でも…」



銀八の声が急に真剣なモノになっていた。



「そのお陰でトシとこうしてられるんだから、感謝…しなきゃな?」



「銀八さ…」



銀八の真剣な声を聞き、土方が赤くなっていると…


バァァァン!!!と、勢いよく部屋の扉が開き…



「はぁい、そこまで!!銀八俺のトシに色目使うなァァァ!!!!!」



「だぁれがオメーのだァァァ!!!!!トシは俺のだァァァ!!!!!」



「いい加減にしろ、貴様らァァァ!!!トシは俺のモノだァァァ!!!」



「「るせェェェ!!!!!ヅラは黙ってろォォォ!!!!!」」



「ヅラじゃない桂だァァァ!!!!!」


何とも賑やかな方々がそこに立っていた。



銀八は頭を押さえながらも苦笑している。


しかし土方はかなり驚いた顔をして部屋の入り口…正確には部屋の入り口に立っている長髪の青年を見ていた。



「こ、小太郎…?」



「…トシィィィ!!!」



『小太郎』と呼ばれる彼は、特別警察晋選組のNO.2である桂小太郎。


彼もまた土方に想いを寄せる者の一人なのだ。


「トシィ!!!お前が風邪をこじらせていると聞いて俺は夜も眠れなかった!!!どうせあのアホ3兄弟にこきつかわれてこんなふうになってしまったのだろう!!?心配するな!あのアホ共は俺が今日中に始末してやー…」



一気にそこまでまくし立てた桂だったが、



『アホはテメェだァァァ!!!!!』



銀八、金時、銀時から一斉に殴らてしまった。



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