04/30の日記
14:43
変恋3
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「つつ〜」
「重っ!?」
今日も元気にデスクワーク! …をしてたら突然上からの重みに潰される。この声、そして私を『つつ』と呼ぶのはひとりしかいない。
「環くんおかえりっ」
「つつ、プリン食べたい」
「先に上からどいてあげてください。翼さんが潰れてしまいますよ」
「一織くんもおかえりなさい」
私にのし掛かる四葉環くんと、環くんを退かしてくれる和泉一織くん。
ふたりもアイドリッシュセブンのメンバーで、最年少17歳コンビと私は呼んでいる。現役高校生だ。いやー、若いねぇ。
ちなみに、一織くんは私のメシアこと三月さんの弟さんなのだ。
「兄弟揃ってメシア…」
「は?」
「なんでもないです」
今すごく冷たい目された。
「つつ、今日ひとりなんだ?」
「うん。大神さん営業行っちゃったからね」
「そうじゃなくて」
「うん?」
「ヤマさんと一緒じゃないんだ」
「…うん?」
不思議そうに首をかしげる環くん。けれどもわけが分からず私も首をかしげる。なんで二階堂さん?
「ヤマさんつつにくっついてないと死ぬ病気だって言ってた」
「おいあの眼鏡なんちゅー嘘を」
ゆらりと殺意が湧く。あの変態眼鏡、ピュアっピュアな環くんに何吹き込んでんだ。
「嘘なの?」
「どう考えても嘘でしょう。むしろなんで信じてるんですか貴方は…」
「だってヤマさんいつもつつにくっついてるから」
違うの?、と私にまで確認をとる環くん。違うよ、そんな病気あってたまるか。
けど、環くんがそう思い込んでしまうほど私と二階堂さんがよくくっついてるということに…いや、あれは一方的にセクハラを受けているだけだ。
「環くん。あれはね、セクハラっていうの。環くんはそんな大人になっちゃだめだよ」
「じゃあつつは嫌なの?」
「そりゃ――」
もちろん、と答えようとして、言葉がでなかった。二階堂さんに触れられて、『嫌じゃない』と思う私がいたからだ。
「(あれ…?)」
「お、イチにタマ。帰ってたのか」
そこに、なんともナイスなタイミングで現れた二階堂さん。今日は高校生組は学校に行っていたけど、残りのメンバーはレッスン室で自主練に励んでいた。二階堂さんがここにいるってことは、今は休憩中なのかな。
「戻りました。皆さんまだレッスン室に?」
「ああ。今休憩はさんだとこ。てかタマ、何うらやましいことしてんの。お兄さんと場所かわって」
「えー」
二階堂さんはそう言いながらこっちに近づいてくる。環くんは今私に抱きついている形で、もし、二階堂さんの言う「うらやましい」がそのことなら、かわるってことは、つまり、
「っふっしゃぁぁあああ!!!」
「え、何!?」
「来るなああああっ!!」
すでに両腕を広げた状態の二階堂さんを威嚇する。
自惚れかもしれない。けど、もしかして、環くんと場所をかわって、二階堂さんに同じようなことされたら。
二階堂さんに触れられることが嫌じゃないと気づいてしまった私は――。
「認めなああああい!!」
「何が!? とりあえず落ちつけって」
「うわああああああああ!!」
「ちょっと、ヤマさん近寄んないで。つつが壊れたじゃん」
「俺のせいかよっ!?」
くっつかないでください移ります変態が
(嘘だ、嘘だ)
(この変態に心を許しているなんて!!)
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